お稽古の例(小学生)

楽器の経験のないお弟子さんです。
習い始めて5か月。
私も初心者の方が初めてということもあり、基本からしっかりを心がけてじっくり進めています。
4か月の頃、本人から「弾けるようになるのかなぁ」なんて不安も出てしまい、
「大丈夫!簡単じゃないものをキミはやってるんだよ、時間がかかるのは当たり前。ここでやるかやらないかが分かれ道。今上手に弾いてる人はみんな泣く思いしたりイライラしたりしたけど諦めなかった人たち!」
というような事を咄嗟に長々話してしまいました。が、5ヶ月目。
私も予想外に上達していました。驚きました。
「あれ?練習した?」と聞いたら(私は練習を強制していません)
音は出してないけど振ってた、とのこと。
その翌週。また上達してるので、
「あれ?練習した?」と聞いたら
この曲はやってないけど別なほうの曲やった、とのこと。
嬉しかったので、「お母さんに聞かせる?」と言ってみたら、まだいいと。
もっと上達したら披露することになりました。
帰りに、家で練習したいから忍び駒(音が小さくなる駒)をお三味線につけて欲しいと頼まれてつけてあげました。
高学年男子といえば、無邪気な時代が終わって一般的には気持ちが見えにくい時期に入ると思いますが、自主的に頑張ろうと考えた成長に、本人の気持ちが見えました。

私はお子さんの場合は、三味線の上達だけを目標ではなく、悔しい思いをすることや頑張ること、コツコツ継続したら結果も出るんだよということを知って欲しいという気持ちで普段から接しています。
これが普段の生活や勉強や何かに、考えるきっかけになってくれればとひそかに思っています。

そして私も同時に勉強させて頂いています🙇‍♀️
お稽古の最初と最後は、私もお弟子さんもお互いに「よろしくお願いします」「ありがとうございました」と頭を下げますが、形式ではなく、本当にそのような気持ちで私はお稽古に臨んでいます。
お三味線に出会ってから年数はいくらか経ちましたが、初心を忘れないようにと改めて感じています。

藤本流三味線教室 仙台

成人の部は女性のみの教室です